1300年に2人だけしか
成し遂げられていない
千日回峰行の様子を捉えた
ある番組を録画してあった。
今はなき比叡山で大阿闍梨と
呼ばれた高僧の記録でした。
彼が異色の経歴で驚きました。
職を転々として結婚後に妻が
自殺したことを期に出家し、
40歳をすぎて小僧生活の6年を
経たのち阿闍梨になりました。
千日修行の様子をみると、
雪の中の獣道を一日40km以上
歩き続けていました。300日目
くらいまでは過去のことが
浮かんできたと語っていました。
過去が浮かばなくなったのは
500日の頃だったそうです。
けれど700日になる頃には、
兎や鹿が今日の一日を無事に
過ごせるようにとだけ思えた。
人々の幸せ以外には何も望まず
それだけを考える人に見えました。
私たちですら身近なことなら
祈念で不思議なことが起きます。
命をかけた修行をした彼を通して
感じるものがあると思います。
酒井雄哉さんに触れてみましょう。
気持ちが変わるかもしれません。
大阿闍梨・酒井雄哉。仏道の中でも最も厳しいとされる「比叡山千日回峰行」を2度達成した行者。千日回峰行とは、延べ1000日、7年間かけ比叡山に点在するお堂や塔、お墓、石仏、それに草木一本一本を拝み巡る、比叡山独特の「行」である。最大の難関は700日目の「堂入り」。9日間断食、断水、不眠不休を続け、行者は死と向き合いながらひたすら不動明王と一体となることを願う。この荒行を2度満行した行者は1000年を超える比叡山の歴史の中でも3人しかいないという。
酒井雄さいは大正15年大阪市で生まれた。昭和19年、予科練に入隊。特別攻撃隊員として終戦を迎えた。戦後は闇屋やセールスマンなど様々な職業を転々とし、株で失敗。多大な借金を抱える。33歳で結婚するが、僅か数か月で妻に自殺されてしまった。悩んだ末、39歳の時に得度し比叡山延暦寺に入る。昭和48年47歳の時、千日回峰を開始。翌昭和55年10月に満行。更に半年後に2度目の千日回峰に入り、そして昭和62年7月、60歳という最高齢で2度目の満行を達成。「すべてが仏となる」という境地に達した。
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